中学生ラガーマンの受け皿に 「シャルマン・ラグビー・アカデミー」 活動を本格化

小学6年生から中学生までが対象のラグビーのクラブチーム「シャルマン・ラグビー・アカデミー」は、発足から1年。4月から練習日を増やし活動を強化する。中信地方では、中学生が本格的に競技を続けられる環境が少なかった。練習日のグラウンドは、大好きなラグビーに打ち込める中学生ラガーマンの喜びとやる気に満ちている。

競技続けられる環境を

3月12日夜、山形小学校(山形村)のグラウンドに集まったメンバーたち。巧みなステップで相手をかわしたり、果敢にタックルしたり。倒されて触れる土の感触さえも楽しんでいるような、充実した表情だ。
メンバーは小6から中3の14人。小学生主体のスクールや、他競技の学校部活動と掛け持ちしている児童生徒もいる。練習は、これまでの水曜夜(山形小)に4月から日曜午前(松本市田川小グラウンド)が加わり週2回に。他チームと合同で大会に出場し、試合の経験も積んでいる。
県内でラグビー部がある中学は松本国際(同市)だけ。中信地方にある複数のスクールは中学生も所属できるが、人数が少なくチームを組んで試合をするのは難しいという。中学生の受け皿づくりが長年の課題だった。
「せっかくラグビーを好きになっても、地元で本格的に続ける環境が乏しければ離れてしまう。(高校まで)空白期間が生まれてしまうのは切ない」。「シャルマン―」は、上高地ラグビースクール(同市)を皮切りに小学生から競技を続け、同スクールで指導してきた小学校教諭の輪湖泰輔さん(42、同市波田)や保護者らが発起人となり、昨年3月に立ち上げた。
チーム代表の輪湖さんらコーチ数人が指導。練習の合間にメンバーが集まり、プレーを振り返って改善方法を話し合う時間を設けているのが特徴だ。受け身でなく進んで理解し、仲間とのコミュニケーションを深める狙いからだ。
小2の時に上高地スクールでラグビーを始めた高綱中2年の浅野克季さん(13)は「ずっと続けたい気持ちがあったので、この場はありがたい。メンバーが増えてきて大勢で練習できるのが楽しい」と笑顔。
松本ラグビースクール(同市)で小4から続ける丸ノ内中1年の山田航大さん(12)は「みんなでパスをつないで得点したり、タックルしたりが楽しい」と魅力を語り、母親の智春さん(41)は「中学生のチームがなかったら、続かなかったかもしれない」と歓迎する。
仲間を増やそうと、メンバーが企画した「初めてのラグビー体験会」を13、20日午前9時半~11時、田川小グラウンドで開く。情報や問い合わせはインスタグラムか事務局(TEL090・1007・2024)へ。