65歳以上の劇団「松本シニアシアター」4月19・20日 上土劇場で旗揚げ公演

県内でも珍しい全員が65歳以上の劇団「松本シニアシアター」の旗揚げ公演「365~私たちの場合(マクベス)」が19、20日、松本市の上土劇場(大手4)で開かれる。公募で集まったメンバーは、ほぼ未経験者の9人。万感の思いで初舞台に立つ。

生き生き演じる姿見て

演出・脚本を手がけ演技を指導するのは、まつもと演劇連合会会長でもある同劇場支配人の永高英雄さん(63)。「市民に舞台芸術を提供する立場として、劇場の昼間の稼働率を上げ、シニアにも舞台に立つ楽しさを知ってほしい」と2022年末にメンバーを公募。週1、2回の稽古を重ねてきた。
「365~」は、高齢者の素人劇団が1年かけてシェークスピアの「マクベス」に挑むストーリー。健康問題などさまざななトラブル続きの中、団員たちは無事演じきれるのか|。永高さんがメンバーの個性や背景も参考に書き下ろし、時に現実か芝居か分からなくなるリアルさが面白い。
今月初めの稽古で永高さんは、「よくまとまってきている」としながらも、せりふの表現や取っ組み合いの動きなどを細かく修正した。
妻に誘われ入団した田中佐彦(すけひこ)さん(72、清水)は「高齢者だからいいやではなく、レベルも求められる指導なので真剣」。演劇経験者で皮肉屋の団員を演じる百瀬芳久さん(76、村井町西)は「非常にやりがいがある。演じることで一人一人が輝けることを知ってほしい」。みんな必死に食らいついている。
永高さんは「素人でも生き生きと楽しんでいる姿を見てほしい。共感したり勇気を持ったりしてもらえたら」と期待する。
19日午後7時、20日午後1時開演。前売り一般千円、学生500円(当日は500円増し)。小学生以下無料。同劇場TEL0263・32・0088