
Jリーグ・YBCルヴァン・カップ1次ラウンド2回戦のJ3松本山雅FC-J1アルビレックス新潟は9日、松本市のサンプロアルウィンで行われた。山雅は0-2で敗れたが、5人の育成組織(ユースアカデミー)出身選手が出場。リーグ戦で出番が少ない選手にチャンスが与えられたとはいえ、1試合でクラブ史上最多のユース出身選手がピッチに立った。
ユース出身選手5人出場「ピッチで成長」刺激に
この日は大卒ルーキーのDF松村厳(22)と高卒3年目のFW田中想来(20)が先発。松村は後半40分に退いたが、大卒2年目のDF樋口大輝(23)、高卒5年目のMF稲福卓(22)、高卒ルーキーのMF萩原正太郎(18)が途中出場し、アカデミー出身の4選手が同時にサンアルのピッチを駆けた。
J1勢との対戦で田中は、ゴール前のプレーの質やフィジカルの強さに差を感じたという。FW陣にけが人が相次ぐチーム事情も踏まえ、「ピッチの中でしか成長できない。練習からアピールし、(浅川)隼人君よりいいと思われる部分を増やしたい」と、リーグ戦の今季初出場に目を向けた。
プロデビューを果たした萩原は「サポーターの雰囲気に圧倒された。1年目が勝負と思っている。モチベーションにしたい」と、意欲を新たにしていた。
リーグ戦で4試合続けて途中出場中の松村は「(先発組との)立場をひっくり返していきたい」と自身の今後を見据えた上で、「ユース出身選手が多く出て、勝利に結び付くようになれば」と、山雅育ちの自覚を口にした。
クラブの成長を印象づけた一戦に、鐡戸裕史育成部長は「結果を出せればなおいいが、まずは試合に出ること。彼らがトップチームでプレーする姿は、今の育成選手の刺激になる」と、トップ昇格者が増える好循環に期待していた。