広丘公民館が地域の小中学生対象「補習塾」 教員志望の学生ら有償ボランティア講師

塩尻市の広丘公民館(広丘野村、市北部交流センターえんてらす内)は本年度、広丘地区の小中学生を対象にした「補習塾」を本格開講した。教員志望の大学生や高校生らが有償ボランティアで教え、受講費はすべて講師に支払われる。公民館が有償で開く学習塾は県内初という。
教員資格を持つ宮田幸恵館長(47、広丘原新田)が発案した。宮田館長が原新田公民館の主事だった2022年、小学生の居場所づくりで公民館で宿題を教える中で、「学習につまずきのある子どもたちを、もう少し見てあげられれば伸びる」と感じたのがきっかけ。広丘公民館では昨年10月にプレ開講した。
本年度初日の5日は小中学生10人が参加。ドリルや春休みの宿題を持参し、前学年の復習や苦手の克服などに取り組んだ。宮田館長を含む講師らが、この日はほぼマンツーマンで分からない箇所を親身になって教えた。
昨秋から通う桔梗小学校5年の中洞陽人(なかほらはると)さん(10)は「漢字はここでやるうちに、だんだん楽しく書けるようになった」。中洞さんを担任する松本大教育学部の岡本倖大(こうた)さん(20、松本市)も「(学習への)やる気がアップしていると感じる。自分も子どもを教えることを実践でき、勉強になる」。
宮田館長は「担任制にし、講師が一人の子を見続けるのも、信頼感につながっている」とし、「塾に通えない、通っても付いていけない子たちの受け皿になれたら」。保護者の相談も受け付ける。
毎週金曜午後4時15分~7時に開き、1人を50分間指導する。受講料は月額で小学生2千円、中学生3千円。受験対策はしない。問い合わせは広丘公民館TEL0263・52・0157