
安曇野市穂高北穂高の安曇野高橋節郎記念美術館南の蔵で4月13~20日、「能登半島復興支援能登のキリコ展」が開かれる。石川県珠洲市出身の田端重三さん(76、木曽町新開)が、地震の被害を受けた古里を思って制作したキリコの縮尺模型を展示する。
キリコは切子灯籠の略称で、担ぎ棒が付いた高さ15メートルほどの灯籠。能登半島各地で夏から秋にかけて行われる「キリコ祭り」に用いられ、住民が地域を練り歩く伝統は、文化庁の日本遺産に認定されている。
展示する模型は実物の5分の1のサイズで、高さ約2・3メートル。ラップの芯などを利用した本体に、ゴムボールを加工したちょうちんなどを飾って切妻屋根を付け、正面の灯籠に「前進」などと記している。
田端さんは子どもの頃、友達とキリコの模型を作り地域を練り歩いていたという。15歳で古里を離れ、木曽町には仕事を通じて7年前に移り住んだ。
田端さんは長年、各地の被災地でボランティア活動を続ける。昨年4月に古里の被害状況を目の当たりにし、8月に「災害を忘れないでほしい」と木曽町役場に今回のキリコを展示。その後、同美術館が復興支援活動をしていることを知り、展示を申し出た。
会場に募金箱を置くほか、趣味で描いた錦絵やラップの芯で作ったペン立てなどを並べて販売。集まった全額を義援金として被災地に送る。田端さんは「展示をきっかけに被災地に思いを寄せてもらえればうれしい」と話す。
午前9時(初日は正午)~午後5時(最終日は3時)。月曜休館。入場無料。13、19、20日は田端さんが在館する。同美術館TEL0263・81・3030