上松檜流太鼓の小中学生メンバー9人 迫力ある響き楽しんで練習 6月に演奏披露

上松町を拠点に活動する和太鼓チーム「上松檜流(ひりゅう)太鼓伝承保存会」は、数年前から子どものメンバーが増え、現在は全15人のうち9人を占める小中学生が、迫力ある響きを楽しんでいる。6月に町内で開かれる「御神木(ごしんぼく)祭」では、子どもだけで披露する曲もあり、張り切って練習中だ。

6月の「御神木祭」で演奏も

小学2年生~中学2年生は毎週金曜夜、同町の旧荻原小体育館で練習し、3月28日は8人が参加。同会代表の佐々木文絵さん(49、同町)が「めりはりを付けて」「腰を落として」などとアドバイスし、乱れていたリズムがぴたりと合うと、全員が笑顔になった。
35年ほど前から活動する同会は、発足当初は大人のチームだったが、保護者の練習に付いてくる子どもが入会するように。今年は7年ぶりに大人より多くなり、その数は郡内の太鼓チームで随一という。「子どもが多いと活気があっていいですね」と佐々木さん。

「太鼓ってかっこいい」

大桑村から通う原凜果さん(11)、歩果(ほのか)さん(10)、百花さん(8)の3姉妹は、昨年6月に同会が開いた体験会に参加。「太鼓ってかっこいい」と一目ぼれした凜果さんが、妹2人を誘って始めた。
3人は自宅でもばちを握って練習する。力強くしっかり打ち込む凜果さんは「太鼓をたたくと気持ちいいし、姉妹で楽しい」。恥ずかしがり屋の歩果さんは「難しい曲をもっと練習してうまくなりたい」。小さい体を大きく動かし頑張る百花さんは「ちょっと難しい時もあるけど、楽しい」。それぞれの個性が演奏にも現れる。

御神木祭(6月4、5日)は、伊勢神宮(三重県伊勢市)の社殿を20年に1度造り替える「式年遷宮」の関連行事。上松町で伐採された御用材を盛大に送り出す祭りで、子どもたちは迫力とスピード感がある曲「弾打(だんだ)」(まつり工房)を初めて披露する。途中で拍子が何度も変わったり、打ち手が太鼓の位置を素早く変えたりする難曲だ。
同会で3歳から続ける砂押歩さん(11)は「(太鼓は)めっちゃ疲れるけど、上手になっていくのが楽しい。今年は6年生なので、皆を引っ張っていきたい」と気合十分だ。
佐々木さんは「大きな声を出したり、思いきり太鼓をたたいたりし、自分の感情を表現する楽しさを体験してもらえれば」とし、「演奏を聞いてくれている人や、活動を応援してくれている家族など、いつも誰かのことを考えながら太鼓をたたいてほしい」と願う。