
Q 音楽を聴くのが好きで、勉強もせずにずっと聴いてばかりです…。(小学6年女子の母)
親子で共有歌詞から広がる世界も
A 「サイレントマジョリティー」という歌を知っていますか?「物言わぬ多数派(積極的な発言行為をしない一般大衆)」という意味で、欅坂46の8年ほど前の曲名です。ファンだった姪(めい)に聴かされた時、「どこかの国の大統領が」「声を上げない者たちは賛成していると」「選べることが大事なんだ、人に任せるな」「行動しなければNOとは伝わらない」…ん?これって…時はまさに2016年、選挙権年齢が18歳に引き下げられた年。もしや若者たちに向けたメッセージでは?と気付いたのです。
姪はこの歌をきっかけに18歳選挙権を多角的に調査し、県こども新聞コンクールで優秀賞をいただきました。それから私はわが子の自学学習とともに、Mrs.GREENAPPLEやOfficial髭男dism、Ado、米津玄師などの歌詞を1日1曲分書いてみることにしました。
普遍的な内容のものもあれば、変容する時代に合わせたものも。短編小説を読むような、道徳が潜んでいるような。見知らぬ漢字や、こういう英語だったのねと驚いたり、熟語や言葉の使い方、韻を踏んでいたり、漢字を別の仮名遣いで情緒を感じさせたり。書くことで歌詞を味わうと、言葉のテクニックに気づくだけでなく、こんなに心揺さぶられるのかと感動しました。
デジタル画面や動画でなく、ノートに時間をかけて好きなペンで丁寧に書くからこそ、自分のペースでその世界に入り、文字の重みや言葉の深さを味わえた気がします。
お子さんは歌手や曲調が好きかもしれないけれど、その歌詞は何を伝えたがっているのか、知りたくありませんか?それを親子で一緒にノートに書いてみませんか。集中して15分ほど。一般的な学習の要素だけでなく、歌に込められた思いを、歌詞から広がる世界を、新たな発見を親子で共有しながらの楽しい学びになると思います。(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)