
「ソウルメート」(魂の仲間)と呼び合う二人が共演する。サックス奏者の山﨑裕加(ひろか)さん(30、松本市筑摩1)とピアノ奏者の橋本千緩(ちひろ)さん(32、同市横田4)の「クルール・デュオ」が25日、あづみ野コンサートホール(安曇野市穂高)で息の合った音色を響かせる。イベント、レストラン、ホテルのロビーなど80回ほどの演奏を経て、初のホールコンサートだ。
クラシック、ポップスと幅広いジャンルを弾きこなす二人。当日は「サクソフォン協奏曲」(グラズノフ)、「タンゴの歴史」(ピアソラ)などを演奏する。
山﨑さんは中学1年生でサックス、橋本さんは小学1年生でピアノを始めた。出会いは大学時代。学校は異なるが、県出身の若手でつくる吹奏楽団「魂響(たまゆら)フィルウィンド」に所属した。互いの演奏に好印象を抱いた。
山﨑さんは大学、橋本さんは大学院を卒業して松本へ戻り、それぞれ高校、幼稚園で教える道に進んだ。やりがいはあるが、自分の音楽と向かい合う時間は減る。二人とも楽器店、ピアノ教室講師と仕事を変えた。
道が重なるのは卒業7年後。「演奏活動がしたい」。山﨑さんの思いが強まった。伴奏者として真っ先に橋本さんが浮かんだ。橋本さんも同じ考えで、2022年「クルール・デュオ」が誕生した。
「打ち合わせをしなくても、どう演奏したいか分かる」と山﨑さんが言えば、「勉強になるし刺激をもらえる」と橋本さんが返す。地元に貢献したいという共通の思いもあった。
演奏者の息遣いや表情を感じ、立体感のある音を楽しむのが、コンサートの醍醐味(だいごみ)だ。ネット配信が広がる時代に生演奏にこだわる。「音楽は一期一会。その時にしか出合えない音を聴いてほしい」
午後2時開演。前売り2500円(当日3千円)。高校生以下1500円。未就学児無料。問い合わせはインスタグラムのダイレクトメッセージで。