
「山や旅のコンシェルジュ(案内人)のような存在になりたい」と、松本市中央3の複合ショップ「ネイバーズmatsumoto」オーナーの大垣柚月さん(29)。昨秋から市街地で、コインランドリーや日用品販売、ゲストハウス、コワーキングスペースなど、さまざまな顔を併せ持つ店を営んでいる。
「麓の山小屋」をイメージ
店は築約70年の木造住宅をリノベーション。少量の日用品や調味料がそろったり、洗濯ができたりと「市街地にあったらいいなを箱詰めにしました」(大垣さん)。洗剤は環境に優しいものを選び、山歩きの行動食にもなるドライフルーツや乾物の量り売りもする。
ブックカフェや銭湯「菊の湯」、宿を営む「栞日(しおりび)」(深志3)の副店長を務めた時に、登山や観光、中長期の滞在など、さまざまな目的の客と接し、「容量が多いシャンプーや洗剤などを買うのは、もったいなく感じた」という。
店の品ぞろえは、見た目や使い勝手の良さで選んだ物が、「実は環境にも優しかった」「このくらいの量で足りた」といった、客の気づきにつながってほしいという思いがある。
神奈川県出身。実家と父親の転勤先だった松本とを行き来するうちに、食材や自然環境に引かれ、2拠点生活を経て4年前に松本に移住。アウトドア雑誌「ランドネ」や登山雑誌「PEAKS」などの企画制作を業務委託で請け負い、国内外の山に登りながら店を営む。
「麓の山小屋」をイメージした店は、アウトドアや旅の雑誌を置き、ゲストハウスの室名は「燕岳」「常念岳」など。山好きの客と、身近な山々や用具などの話で盛り上がることも。
「松本には魅力的なお店がたくさんある。他の店に行ってもらうのも、素泊まりの宿を営む目的の一つ」と大垣さん。
営業は金~月曜の午後1~6時(ほかに不定休あり)。ゲストハウスは1泊4500円~。問い合わせはインスタグラムから。