
大町市のキャラクター「おおまぴょん」の歌の人気が、じわりと広がっている。耳に残るメロディーで、優しい雰囲気の歌詞が特徴の「おおまぴょんのテーマ」。同市職員の相澤瑞貴さん(51)が10年ほど前、自発的に作詞作曲した「歌って踊れる曲」だ。
子どもにも受けのいいこの曲を、同市の夏祭り「大町やまびこまつり」の踊り曲に加え、参加者増や地域活性化につなげたい─。相澤さんは昨年度の職員提案制度でこのように応募し、来年度以降の実施に向けて検討する方向に。市は先月から、ミュージックビデオを動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し始めた。
音楽会で演奏予定の市内小学校もあり、「ゆるキャラソング」が盛り上がりを見せている。
みんなで歌って踊れる曲に
「ぴょんぴょんぴょんぴょ ぴょぴょぴょん おおまぴょん みんなが友達」
4月23日夜、大町市内でギターを奏でながら「おおまぴょんのテーマ」を練習する、市情報交通課広聴広報係長の相澤瑞貴さんと、市有線放送電話農協のアナウンサー●屋宏美さん。誰もが口ずさめるメロディーと、キャラクターを紹介しほんわかした気分にさせられる歌詞の曲を、楽しく表現した。
相澤さんは大学時代から本格的に音楽活動を開始。市役所に就職後も趣味で曲を作って歌い、地元の音楽好きとユニットを組むなどして活動してきた。
「おおまぴょんのテーマ」は10年ほど前、当時の配属先だった市立大町図書館のイベントに合わせて作った。キャッチーなメロディーが好評だった。
その後は広域連合への出向やコロナ禍などで、曲を披露する機会が減っていた。数年前から「大町やまびこまつりに、子どもも歌いながら踊れる曲があるといい」と考えるように。昨年度、業務能率化や市民サービス向上などに向けて職員から提案を募る「職員提案」に、踊り曲への採用を応募。昨年は市内のイベントや「おおまぴょんファン感謝祭」などで歌い、認知度を上げてきた。
より親しんでもらうため昨夏、新たな歌い手を“スカウト”した。「子どもも聞きやすく、キャラや曲の世界観にマッチする声」と、美声で地域に情報を届けている●屋さんに歌唱を依頼。●屋さんは「ほのぼのしていて、おおまぴょんのかわいらしさと優しさにあふれている」と曲の印象を語る。聴衆から手拍子が起きたり、子どもたちが跳びはねて踊る場面も目にし、「おおまぴょんの魅力をもっと広げたい」と意気込む。
本年度、まつり実行委員会企画部会で検討し、踊り曲として採用が決まれば、来年以降のまつりに追加される見通しだ。実行委事務局の市は、楽曲の認知度を高めようと、おおまぴょんの過去の映像を編集して動画を制作、公開した。担当の市まちづくり産業課は「採用されたら、おおまぴょんも一緒に踊りたがっています」とコメントしている。
ほかにも地域の親子向け行事に出演依頼が来たり、大町南小学校の児童が6月の音楽会で曲を演奏する計画があったりと、徐々に広がりを見せ、相澤さんは「みんなで歌って踊ってもらえることが何よりうれしい」と話す。
曲は、市のユーチューブチャンネルで視聴できる。
※●=土の右上に点