
不安が強いタイプのお子さんで、不安になると、お母さんの体の一部を触ることで落ち着く場合があります。お母さんの髪の毛、二の腕、耳たぶ、おっぱいなど、柔らかい所を触ることで気持ちを落ち着かせるのがパターンになっています。
眠るときに触らないと眠れないというお子さんもいます。幼児の頃ならかわいい範囲ですが、思春期に差しかかってくると、このまま触らせて落ち着かせる対応でいいものか、と親御さんも葛藤するようになります。
不安の強さは人それぞれで、お子さんにとっては、お母さんが安心・安全の基地になっているのでしょう。とはいえ、そのままずっと身体接触だけを安心基地にするのでは限界があります。お母さんがいないと安心が保てないというのではお母さんから離れられなくなりますし、反抗期で親子げんかの時には気まずいものです。異性だとより、気持ち悪さを覚えるのが健全な感覚でしょう。
そのような場合、小学校低学年ぐらいから、徐々に、身体接触以外の気持ちの落ち着かせ方、不安解消のスキルの練習をして、気持ちを落ち着かせるバリエーションを増やしていきましょう。
ふわふわのぬいぐるみや、ぷにぷにとした触感のスクイーズのような触り心地のよい物を、本人と一緒に選んでいろいろ試してみましょう。抱き締められて安心する場合は、毛布にぐるぐる巻きになるなどの方法も良いでしょう。
眠るときの不安はビーズクッションや抱き枕、大きいぬいぐるみ、温かみを求めるなら湯たんぽなどもいいかもしれません。小学校高学年には身体接触は原則なしにして、お話を聞くぐらいまでの関わりに変換していくことを目指していきましょう。突き放すというのではなく、本人が自分で安心をつくり出せるようにサポートしていきましょう。
なかなかうまくいかないこともありますが、少しずつ段階を踏んで自立を促していけるとよいですね。