
日本屈指のコレクション
米プロバスケットボールNBAの元スーパースター、マイケル・ジョーダンさん(62)関連の古着やグッズばかりを扱う店が松本市四賀地区にある。店長は西澤里珠(りず)さん(19、会田)。父親の影響でジョーダンさんが好きになり、「四賀地区を盛り上げたい」と店を開いた。
驚きの声2000点余ずらり
県道沿いにある、ジョーダンさんの頭文字と現役時代の背番号を組み合わせた「MJ23」の看板を掲げた建物。見た目は民家だが、内部は“ジョーダン尽くし”。1階は飲食店、2階が博物館と古着店になっている。
訪れた人はまず展示に驚く。ユニホームや希少なバスケットシューズが所狭しと並び、往時のポスターや日米の新聞紙面が壁を飾る。コレクションは2000点以上。「みんな『すごい』とか『懐かしい』とか言ってくれる」と西澤さん。
出迎える西澤さんにも、たいていの人が驚く。「世代じゃないよね?」。ジョーダンさんが一時代を築いたのは1990年代。シカゴ・ブルズを2度の3連覇に導き、5度の最優秀選手(MVP)に輝いたのは、西澤さんが生まれる前のことだ。
根っからのファン父と協力
小学生の頃からバスケットボールをし、伝説の名選手の知識はあった。そこに思い入れを加えたのは、根っからのジョーダンファンである父・正太さん(38)だ。
もともと古着が好きな西澤さん。グッズ収集の手伝いを頼まれ、すぐに心をつかまれた。80~90年代のデザイン、色使いは「見たことがないもの。はまった」。自分で買うようになり、製造された国や年代で微妙に違うロゴやタグのデザインも、見分けられるほどに。
数年前、父に「何をやりたい?」と将来のことを聞かれ、「古着屋さん」と答えた。客と同じ好きなものについて話し、譲ることに魅力を感じた。父も「地元を盛り上げたい。県内外から人が出入りする場所を四賀につくりたい」と、日本屈指のコレクションを展示することに。昨年、ジョーダンさんの誕生日の2月17日に、店を正式にオープンした。
西澤さんは店長として接客したり、SNSで発信したり。ネットで商品探しをすることもあり、海外の同業者との売り買いは、英語でやりとりする。
店を目当てに四賀地区を訪れる人は多いという。「こんなに出会いがあるとは思わなかった。ジョーダン好きの人が気に入るものを、もっと届けられるようにしたい」と西澤さん。
営業は午前11時半~午後6時、来店は要予約TEL0263・75・8429、インスタグラム=こちらから