
信州の民芸運動に力を注いだ松本市出身の型絵染作家・三代澤本寿(もとじゅ)さん(1909~2002年)の作品展は5月21~25日、市美術館で開く。今回は、JA長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院(長野市)に長く展示され、患者や病院のスタッフらを癒やしてきた壁画パネルなど22点を初展示する。
三代澤さんの作品を顕彰する「m.motoju会」の主催で通算7回目。展示するのは、同病院の地下の食堂に飾られていた58×128センチ前後の大型パネル6点と、待合ロビーに飾られた壁画用パネル14点など。他にびょうぶなどを含め計50点ほどになる。
昨年秋、同病院の宮下俊彦統括院長らが「病院で受け継がれてきた三代澤さんの作品を見たい」と中町の常設ギャラリーを訪れたのをきっかけに、松本で展示する話が具体化した。
同病院の初代院長を務めた故新村明さんは信州大病院にいた頃、三代澤さんの主治医だった。その縁で、病院改築で地下に食堂を造った際、パネルや照明などを制作した(生誕101年展図録)。病院によると、これらの作品は近年、倉庫に保管されていたという。
m.motoju会代表の三代澤保水さん(78)は「関係者のご協力で病院にあった作品を初めて展示することができる。患者さんらの癒やしになったであろう作品を多くの人に見ていただきたい」と話す。
午前9時~午後5時(最終日は4時)。無料。