
1点守り切り8位浮上
松本山雅FCはリーグ戦では今季初の「1─0」で5勝目を挙げた。FW田中想来がリーグ5得点目となる決勝点を挙げ、守っては4度目の無失点。シーズンの3分の1を終え、初めて1桁順位の8位に浮上した。
ダイナミックな攻撃参加で追加点を
力業の得点だった。後半5分、MF菊井悠介のミドルシュートは相手選手に当たったが、こぼれ球にMF滝裕太が飛び込む。これもGKにはじかれたが、今度は田中。左足のシュートが守備の壁をすり抜けた。
菊井がシュートを放った時点で、ペナルティーエリア内に山雅の選手が4人。運を味方に付けて二の矢、三の矢を放つことができた。
だが、こんな場面は限られた。MF樋口大輝は相手陣深くに侵入しながら、後方にパスを戻すシーンが続いた。「相手がやりづらい守備位置を取っていた。中に味方が誰もいないことが多かった」とクロスを上げられなかった。
一気にゴールに迫るロングキックも「前線に収まらなかった」とGK大内一生。風上に立った後半、早々に先制したものの、後が続かなかった。
1|0で勝つことの意義を知るDF出身の早川知伸監督も「2点、3点と取れるようにクオリティーを上げてきたい」と、口にしたのは攻撃の課題。練習では、前の選手を追い抜いていく動きを求める。ダイナミックな攻撃参加が、この日の得点時のような分厚い攻めを生む。
消耗が激しい信州ダービー直後の試合では、3年ぶりの白星。中3日ながら同じ先発メンバーで臨んで勝ちきり、地力は示した。攻撃の課題克服が、さらなる上位進出につながる。