
Q 宿題を嫌がって泣いています。声をかけても泣くばかり…。他の子もいるので付き合いきれず、どうしたらいいのでしょう。(小学1年女子の母)
泣くことは肯定 嫌な理由を聞いてみる
A 実はわが家でも小学生の時、宿題の途中で突然大声で泣き出したことが。普段めったに泣かないのにどうしたんだろうと思いつつ、待つこと30分。落ち着いてから聞くと、「同じ漢字練習が8回目なの」と。何か理由があっての宿題だったと思いますが、覚えていることを何度もやるのは作業です。幼いなりに疑問を抱え苦痛を感じていたのにうまく説明できなくて、「泣く」という行為になったのかなと思いました。
お子さんは宿題のどの部分に反応して泣いているのでしょう。「宿題を嫌がる」の中にいろいろ詰まっているかもしれません。学習内容を理解できずつらいのか、他にやりたいことをできないからなのか、この宿題に意味がないと感じているのか、できない自分が嫌なのか、疲れていて頭が働かないのか、ただただ眠いのか、全く違う理由なのか…とりあえず毛布などで体を包んであげましょう。
少し寄り添ったら、「ちょっと〇〇をしてくるね」と伝え、必要な育児や家事を。そして泣きやみ落ち着いたら、理由を聞いてください。話してくれれば対応できますが、幼いうちはうまく答えられないかも。「あなたはどうしたい?」と聞いてください。少しでも言葉で表せたら(表せなくても)、「良い悪い」の評価ではなく「泣きたくなった」ことに共感し、あとは一緒においしいものを食べ、しっかり眠らせましょう。以前伝えましたが、宿題はやめてもいいのですよ。
幼い子が「泣く」ことはむしろ良いことだと考えます。「泣く」行為は体内のストレスホルモンを減らし、心身の健康につながるという研究もあります。今は親子関係を深める機会と思って泣くことを肯定してみてください。言葉にできない不安や違和感は、ためずに外へ表出させるのです。
親が寄り添ってくれた原体験は、自分を理解してくれる人がいるという自信やエンパシー(共感)など、今後のお子さんの人生観形成の基となります。人生には複雑で難解で理不尽なことも起きますから、将来のレジリエンス(回復力)の地盤を固めるべく、安心できる家庭という場所でいっぱい泣かせてあげてください。
(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)