子ども向けのフラワーアレンジメント教室 発想力や優しい心育てる

親子で花と触れ合いながら、子どもの自由な発想力や優しい心を育てませんか─。フラワーアレンジメント教室や婚礼装花を手がける「フルールドモンクール」(松本市中央3)は、子ども向けのフラワーアレンジメント教室を開いています。新年度最初の4月6日に訪ね、取材しました。

教えるのは同店代表の関澤さゆりさん。この日は中南信地方に住む4~8歳の子ども4人と母親が参加しました。
まずは花瓶作りから。空き瓶にセロハンを飾ったり、紙コップに絵を描いたりします。出来上がったらスポンジを入れ、そこに花を挿していきます。用意されたのはガーベラ、ラナンキュラス、とげなしのバラ、カーネーション、スターチス、ローズゼラニウム。迷わず生ける子もいれば、慎重に進める子もいます。
「大きい花は茎を短く切ると倒れにくいよ」「同じ花が2本あったら、1本は短くするとバランスがいいよ」と関澤さん。子どもの発想や工夫を大切にするため、アドバイスは最小限にとどめます。それは「大人はできるだけ手や口を出さない」と最初に約束したママたちも同じ。じっと見守ります。
北薗紬希(つむぎ)ちゃん(4、安曇野市)は「ひらひらの花びらがかわいい」とほほ笑み、母親の由恵さんも「私もお花を習っていたので、娘と一緒に楽しめるようになりうれしい」。小学3年生の石吾玲華さん(8、南箕輪村)の母親の瞳さんは「自分の力でやる姿に驚きました」と話しました。

関澤さんは事務の仕事を経て、25歳ごろから好きな花を扱う仕事に携わります。2021年夏、勤めていたメゾンフルーリ(本店・東京都)の松本店「サロンドメゾンフルーリ」が松本から撤退する計画を知り、同年秋、店を引き継ぎ独立することを決意。「お客さまや教室の生徒さんの顔が浮かび、私がつなぐしかないと思いました」
翌年3月、「フルールドモンクール」として開業します。開業準備をしていた頃、娘の杏(あん)さんは2歳になったばかり。シングルマザーで、コロナ禍では基礎疾患がある両親にも頼れず必死の毎日でした。婚礼装花の仕事が迫る中、杏さんがRSウイルス感染症で入院した時は、パニックで打ち合わせもまともにできず、式場から叱られたことも。
「暗闇の中を手探りで進む私を、杏は小さくても確かに照らしてくれるランタンの光のような存在でした」。5歳になった今では、仕事をしている関澤さんにおにぎりを作るなど、もっと大きく温かな光になっています。
子ども向けの花の教室は、杏さんが2歳ごろ、花に興味を示したのをきっかけに始めました。「子どもたちが花に触れると色彩や立体感覚が育ち、世話が必要なことや必ず枯れることも実体験できます。大切なこととして伝え続けたい」
花はみんなを優しく幸せな気持ちにしてくれるといい、「ひとり親に花を贈る活動もしてみたい」と夢は広がります。

教室(約60分)は不定期開催。1人ではさみを使えることが参加条件。受講料550円、花代3850円くらい。問い合わせ・申し込みは関澤さんTEL080・9652・8879、系列の生花店「わたしのこころの花」のインスタグラムのDMから。親子3組以上集まれば出張教室も行う。