
松本市波田の美術作家・大月美歩さん(32)の作品展「2階の小部屋で」が6月8日まで、安曇野市穂高有明の画廊BananaMoonで開かれている。約3メートル四方の小部屋のような真っ白な壁で区切られた展示スペースを、コラージュ作品や端材を使ったインスタレーション(空間芸術)などが彩る。
「捨てられてしまう物やちょっと不完全な物に、いとおしさを感じる。さりげなくでもスポットを当てたい」と大月さん。自宅のアトリエ建築時に出た木材の端材や、表面のかわいい模様を丸く切り取った後の紙袋といった物を、他の素材と組み合わせるなどして作品に仕上げ、部屋のような空間に散りばめた。
自宅の片付けで出てきた年季の入った木製ハンガー、古い地図の裏側などを活用したものも。高校で美術を教えた際には、生徒が使い終えて捨てられる紙パレットに着目。偶然に生まれた模様の面白さから、一部を切り抜いて生かした作品もユニークだ。
空間には机や時計、手編みのマットを置くなどし、日常の雰囲気で作品を鑑賞できるようにした。大月さんは「見る人が誰かの家の記憶と結び付けたりしながら、身近に感じてもらえたら」と話す。
鑑賞は金~日曜の午後1~5時。画廊事務局℡090・8328・4758