木軸ペン専門店 松本「ボナン」1周年 学生に人気 ネットは即完売も

長く使えば使うほど美しくなる。温かみのある手触り…。ペン軸が木製のシャープペンシルやボールペン、「木軸ペン」が人気だ。木軸ペンショップ「ボナン」は、松本市の「信州松本城町文庫丸の内店」にオープンして5月で1周年。気に入ったペンを探す人が訪れている。
店頭には、木曽ヒノキやカラマツなど県産の木材や、赤い色味が特徴の「チューリップウッド」、見る角度によって見えるしま模様が魅力の「キハダカーリー」など、国内外のさまざまな種類の木から作った木軸ペンが並ぶ。全てオーナーの大久保直弥さん(39)が一本一本手作りしている。
同じ木でも色味や杢(もく)(木材の表面の複雑な模様)が全く違うため、「世界に一本のペン」だ。価格は9900円からで、木の材質などにより異なる。
一般的なペンに比べて値は張るが、客層の9割は小学生から大学生までという。使い込むうちに色味が深くなり傷やつやが増し、変化を楽しめる。店舗ができたことで、実際の使い心地やデザインを直接見たいと、県外から足を運ぶ学生も多いという。
大久保さんは会社員の傍ら、2016年から趣味の一環で作り始め、19年からハンドメード作家が利用するネットで販売を始めた。徐々に人気になり、「地元の人にも知ってもらいたい」と昨年、店舗をオープンした。現在ネットに出す商品は30分以内に全て売り切れる人気ぶりだ。
「一つのものを大切に育て、自分にとっての価値が上がっていくものを提供したい。地域の人にも知ってもらえたら」と大久保さん。
土・日曜と祝日のみ営業。午前10時~午後4時。来店予約も可能。問い合わせはLINE(ライン)で、詳しくはインスタグラムから。