旧交温め30曲声高らかに「松高・信大寮歌祭」 信大同窓会連など引き継ぎ10年目

旧制松本高校や後身の信州大などで親しまれた寮歌を歌い継ぐ「松高・信大寮歌祭」は5月31日、松本市あがたの森文化会館講堂(旧松高講堂)で開いた。松高同窓会が行っていた寮歌祭を信大同窓会連合会などが引き継いで10年目。参加者は旧交を温めながら、30曲ほどの寮歌・校歌に声を張り上げた。
松高OBや家族、信大各学部の同窓生、信大混声合唱団、同交響楽団のほか、旧制一高(東京大)、二高(東北大)関係など他校からの11人を含め約90人が参加。松高で生まれた思誠寮寮歌を中心に、県内に散らばる農、繊維、工、教育各学部の寮歌も歌った。
松高OBでただ一人の参加となった井口義久さん(94、静岡市)は「寮歌を歌う場があるのは、本当にありがたい」。戦後の学制改革に伴い、松高を1年で修了し横浜国立大へ。当時自宅が松本に近く思誠寮に入れなかったが、寮歌は同級生が教えてくれたという。
混声合唱団と交響楽団の現役学生たちは、松本高等学校校歌、信州大学歌、松高寮歌「春寂寥(せきりょう)」などを演奏。同楽団の松本鵬弘さん(22、工学部4年)は、会場で映し出されたかつての寮生活などのスライドを見ながら「昔の大学の雰囲気が分かるし、この催しに関われて光栄」と話した。
寮歌祭は2015年まで松高同窓会が開催。翌年から信大同窓会連合会などの実行委員会が主催する。20~22年はコロナ禍で開催できなかった。