
松本市で葬儀業や仏壇販売店などを営む小出仏壇(出川2)は5月30日、「人形供養祭」を同社の葬儀場「コスモール・コイデ」(南松本2)で開いた。供養を希望する人形を募り、ひな人形や五月人形、縫いぐるみなど約4千体が託された。
法要は生蓮寺(寿北3)の小笠原信隆住職が執り行い、焼香する参列者も。祖母の形見の和人形を持ち込んだ市内の女性は「長いこと気持ちの整理が付かずにいたが、今回供養に来た。ここなら人形の友達もたくさんいてさみしくないのでは」と手を合わせた。
人形供養祭は地域貢献の意味も込め、20年ほど前から年1回、この時期に開く。小出伸久常務によると人形の処分に迷う人は多く、1年を通して問い合わせがあるという。
小笠原住職は「感謝の思いを込めて供養し、心を安らげながら新たな一歩を進む機会となれば」と話した。