
子どもは経験が乏しい分、大人から見て「もっといいやり方があるよ」「こうするとうまくやれるよ」とアドバイスしたくなる場面がたくさんあります。多くのお子さんはアドバイスを素直に聞き入れますが、時々、アドバイスをすると「注意された」「怒られた」と過剰に捉えて、とても不機嫌になってしまうタイプのお子さんがいます。
あからさまに怒る場合もあれば、その時は我慢していても「あの先生は注意ばかりする」と怖がって、注意してくれる人を避けてしまうお子さんもいます。大人側が、「これはアドバイスで注意しているわけではない」と言っても伝わりません。テストで1問×がついただけで大騒ぎしたり、漢字ドリルを赤で修正されると半狂乱になったりします。「プライドが高い」「親が甘やかしているからだ」などと思われてしまったりもしますが、多くの場合は生来的にそういうタイプで、物心つく前、1、2歳の頃からちょっとしたアドバイスのたびにかんしゃくを起こしていたという子も少なくありません。
こういうタイプの場合、勉強でも習い事でも、他人からのアドバイスが受けにくく、成長の機会を失い損をしてしまっており、親としては正直やきもきします。でもね、そういうタイプなので、しょうがないんです。
何かをやっている時、やった後の注意は、機嫌を損ねるので、行動の前に、いいやり方のポイントを提示するのがよいでしょう。口頭で伝えると「うるさい」と言われやすので、視覚化した手順書やマニュアルを作ったり、他人やプロが解説している動画などを見せる方がいいかもしれません。うまくいっていることを褒めることで強化し、上手じゃないやり方でも危険がなければ注意するのは諦めて、そっと見守っていると、いつかは自分なりに工夫して身に付けることもあります。
そして、大人になるにつれて、本人が損得を考えられるようになったり、内発的な目標が明確になったりすれば、間違いやアドバイスを受け入れられるようになる場面も増えてきます。