多様な声応える学習支援を 市民団体が松本、塩尻4カ所で「無料こどもじゅく」

松本市の市民団体「反貧困セーフティネット・アルプス」は、学習支援の一環として小中高生を対象にした「無料こどもじゅく」を松本、塩尻両市の4カ所で開いています。このうち松本市の波田、島内の2会場の代表を務める久保田稲子さん(64、波田)に話を聞きました。

★子どもたちの学びを応援
勉強がもっと分かるようになりたい、塾はお金がかかるから行けない、自分のペースでゆっくり勉強したい|といった声に応える場所が「無料こどもじゅく」です。2013年に松本協立病院(巾上)の一室で始め、現在は松本、塩尻市の4カ所で行っています。
教えるのは大学生や社会人、元教員などの「先生スタッフ」。個別学習を基本に、ボランティアでサポートしています。
教科は問いません。小学生は宿題を、中高生は自分が苦手な教科に取り組む子が多いです。持参した宿題などが終わった子、受験対策などの課題が欲しい子には、用意した問題をその場で印刷して渡します。
前半の1時間は勉強に集中し、後半は屋外で遊んだり室内で折り紙などをしたりする時間にしています。もちろん通しで勉強もできます。
基礎学力を付けたい、受験対策をしたいなど個々の希望に応じます。スタッフ間で参加者の情報共有にも努めています。
名称が「じゅく」のため勉強だけを教えると思うかもしれませんが、子ども同士で遊んだり、いろいろな大人と話したりする時間も大切にしています。そんな経験も生かしながら、それぞれのペースで成長していってほしいと願っています。

★利用者、保護者の声
3年目に入った島内会場「無料こどもじゅくこみや」には約20人が登録。毎回、小学1年生から高校1年生まで10人ほどが利用しています。
「ここは雰囲気が和やかで、優しく教えてくれるから分かりやすい」と波田中3年の男子(14)。もともと利用する波田会場に加えて、昨夏から通っています。中学時代から利用し、今春高校に入学した姉(16)も一緒で、取材で訪ねた日は2人とも定期試験に向けて勉強をしていました。
開所当時から島内小5年の妹(10)と通う松島中3年の女子(14)は、「数学が苦手だったけど、計算のやり方から細かく教えてもらったおかげでできるようになった。ここで友達ができたし、スタッフもフレンドリーで楽しい」。
小学6年の長女と1年の長男を送り出す村井真理さん(島内)は、「長女は、学校の授業で分からなかったところを教えてもらっている。自分が勉強したい教材を持って行けるので、テスト前に自信がつくみたい。なくてはならない場所」と言います。

【無料こどもじゅく】▽Mウイング(松本市中央1、名称=無料こどもじゅく)毎週土曜午後1時半~3時。問い合わせ先(以下同)は佐々木さんTEL090・7652・4441▽塩尻市市民交流センターえんぱーく(塩尻市大門一番町、塩尻学びサポート)毎週火曜午後5時~7時半。三浦さんTEL090・9667・1641▽波田公民館(松本市波田、無料こどもじゅくHATA)第1・3・5土曜午後1時半~3時半、第2・4日曜午前10時~11時45分。久保田さんTEL090・4463・6182▽ウッドタウン小宮公民館(同市島内、無料こどもじゅくこみや)第1・3・5日曜午前10時~正午。久保田さん。利用する際は保護者を通じて前日までに申し込む(初回のみ保護者も同伴)。学習ボランティアも募集中。