
大町市の小学校再編に伴い本年度末で閉校する大町北小学校(237人)は1日、最後となる運動会を開いた。卒業生や地域住民がブラスバンド部の演奏や大玉送りに加わって盛り上げたり、PTAが風船を一斉に飛ばす「バルーンリリース」を企画したり。記憶に残る運動会を地域と一体でつくり上げた。
ブラスバンド部が入場行進曲の演奏への協力を呼びかけたところ、卒業生や保護者、地域住民など楽器演奏経験のある14人が賛同。JR大糸線の運転士を長年勤めた木曽町の男性なども加わった。5月中旬に2回の練習を経て、部員を合わせて40人近くで本番に臨んだ。
演奏したのは、校歌と「希望のファンファーレ」「スーザマーチ」の3曲。運動会の幕開けを飾るすがすがしい音色を校庭に響かせ、全校児童が演奏に合わせて元気に行進した。
部長で6年の田中美羽さん(11)は「大勢でいつもよりも大きくきれいな音色が披露できた。最初で最後のいい経験だった」。在学中に同部でトロンボーンを担当した卒業生の平林乃亜海(のあん)さん(14、大町中学3年)は「閉校はとても寂しいが、今日は後輩たちと母校で演奏ができ楽しい思い出ができた」。
バルーンリリースは閉会後に。児童と保護者は、母校への感謝の気持ちと、新しい学校への期待を込め、色とりどりの風船を放った。PTA会長のケント・ネグリさん(43)は「曇り空から変わった青空を風に乗って飛ぶ風船は、新校に向かって希望をつなぐような様子だった」と話した。