若手漆芸作家の独創的な二人展 松本の太雪美術館初の企画展 6月29日まで

松本市の林人形工房(中央2)が、築120年の古民家を再生して昨夏開設した「太雪(たいせつ)美術館」(神田1)で初の企画展「潤(うるおう)と郷愁野田怜眞(りょうま)・鈴木阿弥(あみ)二人展」が開かれている。伝統的な日本建築の風情ある館内に、若手漆芸作家2人の個性的な14点が並ぶ。29日まで。
2人はいずれも東京芸術大修士課程漆芸専攻の修了作品を出品。野田さん(29、茨城県)の「form」はギンヤンマがモチーフで、広げた羽と高さが各2メートル50センチの大作。発泡スチロールを切り取って作った羽や、目に施した螺鈿(らでん)が美しい。
鈴木さん(25、神奈川県)の「乾漆螺鈿蒔(まき)絵任侠(えにんきょう)立像『おことわり』」は、入れ墨の男性をデフォルメした高さ1メートル10センチの像。腰に巻いたタオルは、卵の殻を貼り付けて質感を出した。
「2人が思いを込めた、迫力ある大作がそろったのが見どころ」と水城雄貴館長(37)。水墨画や人形などの常設展示もある。
午前9時~午後5時。会期中無休。入館料1500円、高校・大学生千円、小・中学生500円、未就学児無料。入館は完全予約制で、ホームページの来館予約からかTEL090・3440・7653