
朝日村公民館は、メンタルトレーナーの加藤史子さん(安曇野市穂高柏原)を講師に、講座「スポーツの知恵」を村中央公民館で開いた。小中学生や保護者、指導者ら50人が聞いた。(5月17日)
心の声 プラスに切り替え
メンタルはパフォーマンスに影響する。頭の中で認識したことが現実をつくり出す可能性が高く、限界は自分の認識がつくっている。「自分はこのくらい」と考えていると、練習も試合結果も「そのくらい」になる。自分から「こういう選手になりたい」「大会に出場したい」と考える人は、体が軽く動いてパフォーマンスも上がる。逆に「やりたくない」「コーチに言われるから仕方ない」と考える人は、同じ練習をしても成果が上がらず「しんどかった」で終わってしまう。
メンタルは勝敗を握る鍵になり、気持ちの切り替えは自分でできる。不安になったり緊張したりした時、頭の中に聞こえてくる心の声はどんなものか。「無理」「ミスしたら怒られる」など、心の声がマイナスに傾くと不安が大きくなり、緊張して実力が発揮できなくなる。「やればできる」「チャレンジしよう」など、心の声をプラスに切り替えることで、感情に振り回されず、落ち着いて実力が発揮できる状態を保つことができる。試合が始まる前や点差が開いた時など、いろんな場面を想定し、言葉のお守りをあらかじめ用意しておけばよい。
例えば、マイナスから見た「ケチ」は、プラスで見ると「倹約家」と、短所と思うことも見方を変えれば長所。自分のマイナスをプラスで出せるようにしていくと、自信を持てるようになる。認識をいかに変えるかは、競技やスポーツ、人生全般に必要。
未来を考える時にはレベルが三つある。レベル1は「~すべき(だけどしたくない)」。内面の欲求と反するので、行動が制約される。レベル2は「こうなりたい(だけど無理)」。自分の欲求に合っているが、諦めの考えが実現を邪魔する。レベル3は「きっとこうなる」。実現することを前提に行動するので、実現の可能性が高まる。
レベル1や2になることは誰にでもある。そんな時は自分の意思でレベル3に切り替え、夢をかなえられる自分になっていきましょう。