鳥に食べられる昆虫の写真 「田淵行男賞」ジュニア部門最高賞に明科中3年・矢花沙織さん

8月に表彰式と展覧会

山岳・自然写真分野の発展と新人発掘を目的に公募した「第7回田淵行男賞」の部門の一つ「ジュニア賞」の最高賞「安曇野市長賞」に、同市の明科中学3年、矢花沙織さん(15)の作品が選ばれた。このほど発表があり、8月初旬に市内で表彰式と展覧会が開かれる。
田淵行男賞は、市や市教育委員会、田淵行男記念館などでつくる実行委員会の主催。新型コロナ禍による中止を挟み、9年ぶりに開いた。ジュニア賞は中学生以下を対象に今回創設。3枚一組の組み写真を募った。
矢花さんは、「鳥に食べられる昆虫達」と題した3点で応募。この一つ「アブラゼミを捕らえたヒヨドリ」は自宅で写したもので、「物置のトタン屋根から音がしたので見たら、ヒヨドリがアブラゼミを屋根に打ち付けていた」と言う。
電話線に止まっているところを撮った「キタテハ幼虫を捕らえたモズ」は、「その後、はやにえ(モズが獲得した獲物を木の枝などに刺す習性)にでもしたのかな」と想像。白馬村で撮った「ヒメギフチョウを捕らえたヒヨドリ」には、「ヒメギフチョウの写真は、私はまだ撮れていない。ヒヨドリに先を越された思い」と苦笑する。
矢花さんは小学2年の時に市の生き物調査に参加し虫に興味を持った。4年生からは三郷昆虫クラブに所属。休日は父順一さんと共にあちこち出向き、カメラを向ける。「毎週、『今日はどこへ行く?』と聞かれる」と順一さん。
同賞には8人が計22作品を応募。矢花さんの作品は、「常に決定的瞬間を逃すまいとする撮影者の意識の高さが感じられる」などと評価された。