
20歳の田中 成長止めず
ドローに終わった上位との一戦で、山雅の得点はFW田中想来。ヘディングゴールも2試合連続得点も山雅で初めて。今季通算8得点とし、J3得点ランキングで2位タイに浮上した。Jリーグ初ゴールから2カ月、20歳の成長が止まらない。
理想のFWへ 得点王目指しチームけん引
この日のゴールは開始6分。MF菊井悠介の長めのクロスが頭上を通った時点で「折り返しが来る準備をした」と田中。期待通りのボールはMF樋口大輝から。ユースアカデミーの3年先輩が頭で折り返したところに飛び込んだ。
17歳で、U‐18所属ながらJ公式戦に出場できる2種登録をされ、デビューして4季目。初めて頭で決めたことには「いろんな形で点を取りたいと思っている」。理想のFWにまた一歩近づいた。
今の活躍は苦境を経たからこそだ。昨季前半はシンガポールのチームに武者修業に出たが、公式戦が少なく練習もままならない環境だったという。「仕事が思い切りできないのが苦しかった」
「飛躍の年にしないといけない」と臨んだ今季。「純粋にサッカーに打ち込めるのが楽しいし、幸せ」という気持ちをがむしゃらなプレーで表現し、結果を出している。
得点ランキング首位は、山雅からも2点を挙げ計10得点の小林心だが、先ごろ高知からJ2仙台に移籍した。J3でプレーする選手では、田中と福島のFW樋口寛規がトップに並ぶ。「まだ全く満足してない。試合に絡むようになり、山雅愛がいっそう強くなった。J2に昇格させ、得点王にもならないと」。シーズン後半へ、クラブと自身のステップアップを見据える。