松本市内4高校生が文化祭を共同でPR  「市中行進」と駅前で開幕式6月28日

横のつながりを 思い形に

近くの高校同士、横のつながりがもっとあればいい―。そんな生徒たちの思いが形になる。松本県ケ丘、松本蟻ケ崎、松本美須々ケ丘、松本深志の松本市内4校の生徒が28日、各校の文化祭を協力してPRしようと、深志を除く3校が歩いてビラなどを配る「市中行進」を行い、4校がJR松本駅前に集いスタートアップセレモニーを行う。

協力で宣伝効果 にぎわいも

発起人は蟻ケ崎3年の生徒会長・傳刀かりんさん(17)。中学時代も生徒会役員を務め、学校同士のつながりの薄さを感じていた。昨年12月に開かれた、県内の高校生や教職員が文化祭の運営について情報交換する「文化祭ガイダンス」で、他校の生徒会役員に声をかけたのがきっかけだ。
4校の今年の文化祭は県ケ丘、蟻ケ崎、美須々ケ丘が7月4~7日、深志が同11~14日。両週末は他にも文化祭を開く高校が市内にあり、来校者の分散が懸念される中、「学校同士が協力したら、何か楽しいことができるはず」と傳刀さん。協力を提案し、ほかの3校が賛同した。
3月から各校の文化祭実行委員長や委員、応援団など各校3、4人ずつが休日や放課後に集まり、具体的な内容を検討した。当初はスタンプラリーや各校を巡る文化祭ツアー、合同グッズの製作などさまざまな案が出たが、金銭面や各校の規制などで実現が難しく断念。
「後輩たちも続けていけるような企画を」と、協力の第一歩として県ケ丘で70年以上続く伝統行事の市中行進を、蟻ケ崎と美須々ケ丘の2校も行うことに。行進後に4校が集まり、各校の特色ある部活動がパフォーマンスを披露することにした。
県ケ丘3年の生徒会長・笠原梨里さん(17)は「高校生のはじける青春を伝えたい」、美須々ケ丘3年の生徒会長・黒田修平さん(18)は「松本は大型店の閉店が重なったが、高校生の自主的な活動が、地域の活性化につながれば」と話す。
当日は3校の計70人ほどが午後1時に各校を出発し、歩いて各所でビラを配りながら松本駅前へ。深志は駅前でビラを配り、午後4時からのセレモニーに加わる。深志3年の生徒会長・伊東光太郎さん(17)は「4校の協力で大きな宣伝効果を期待したい」。
掲げたテーマは「カマせ、青春!叫べ、開幕!」。傳刀さんは「初めての行動が、みんなの記憶に残る瞬間になれば。興味がなかった人も、文化祭を訪れてくれるきっかけになれば」と期待する。