
松本市の演劇集団「マツモト・ザザ座」の公演「見えない都市─旅と劇場─」が7月12、13日、マツモトアートセンター(大手1)で行われる。会場は美術大予備校、舞台装置は大小の段ボールのみというユニークな舞台。シンプルな空間に放たれる言葉とメンバーが奏でる歌や音楽で、さまざまな街の心象風景などを独自の世界観で表現する。
ザザ座は2023年、まつもと市民芸術館のワークショップ参加者で結成。劇作家で演出家の加藤直さん(82、東京都)が全面的に演出、指導に当たっている。
3作目となる今作は、20世紀イタリアの国民的作家イタロ・カルヴィーノの小説「見えない都市」がモチーフ。これに、信州の「ツチグモ伝説」や「玄蕃之丞伝説」の民話などが差し込まれ展開していくコラージュ作品で、加藤さんが書き下ろした。
ホール床を半円形にひもで区切った舞台に、大道具は大小さまざまの段ボールが数十個。メンバーが芝居に合わせ、積んだり広げたりして、山や街に見立てる。「どこでも、お客と出会えば劇場になる」と加藤さん。物語では架空も含め多数の街を旅するが、松本の土地の独特さも観客との出会いで引き出せたらという。
20~70代の7人が4月から稽古を重ねてきた。大山莉奈さんは「段ボールを使う面白さをどのくらいお客さんに伝えられるか。自分たちも楽しんでいる様子を見てほしい」。
12日は午後2時と6時、13日は午前11時と午後3時。一般2千円、18歳以下千円(未就学児無料)で、保護者1人につき18歳以下1人が無料になる。
予約は=専用フォームかメールで。問い合わせはメール(zazaza@otoiawase@gmail.com)