
信州の自然が恋しくてたまらなくなった先日、離島以外では都内唯一の村でもある檜原(ひのはら)村から、あきる野市に及ぶ「秋川渓谷」へ出かけました。
周辺は、鎌倉幕府の成立にも関与した武士集団「武蔵七党」の史跡があったり、自由民権運動が盛んだった頃に地域住民が草案を作成した「五日市憲法」が保存されていたりと、歴史的にも面白い場所です。
都心から電車で1時間ほどとは思えない、自然豊かで空気がどこか信州に似ている、ついつい深呼吸してしまう場所でした。白馬村の姫川沿いで育った私は、水の音を聞くとなんだか気持ちが落ち着くのです。
すると、香ばしくてくせになりそうな匂いが。導かれてたどり着いたのは、養蚕に使われていた建物で営むお茶屋さん。アユを塩焼きする匂いだったようで…。私の食欲スイッチが入ってしまいました。
自然を眺めることも忘れ、アユ、あんみつ、おからドーナツ、かき氷と、次から次へと。気が付けばおなかも心も満たされ、すてきな旅になりました。
(タレント、白馬村出身)