
大町市在住の木彫、陶芸の日展作家5人は27日まで、同市大町の「木匠安曇野」で作品展を開いている。昨年の同展工芸美術部門に入選、出品した作品を中心に計15点ほどを展示。中央で評価される地元作家の作品を、まちなかの身近な場所で鑑賞できる貴重な機会だ。
出品しているのは、木彫の髙橋貞夫さん(85、大町)、海川盛利さん(63、平)、千國由美さん(57、同)、陶芸の相澤正樹さん(63、大町)、まゆみさん(57)夫妻。
海川さんは抽象的な中に鹿島槍ケ岳の二つの峰を入れ込んだ作品を、正樹さんは大町から見た北アルプスのイメージが底流にあるという作品を出品。まゆみさんは、故郷・宮城県女川町の深海を表現した作品で、「大町で山を見て、なお海を強く思い出した」と制作時の心情を語る。
5人は「大町で見て感じるものを表現したり、大町にいるからこそ生まれたりした作品」と口をそろえる。
日展の工芸美術部門に入選した県内作家の作品展が例年冬場に安曇野市で開かれるが、今回は会場の改修工事でなかったため、地元にある髙橋さんの工房とギャラリーの建物での展示を決めた。
千國さんは「見方が分からないという人も感じるままに見てほしい」。髙橋さんは「高いレベルに挑戦しようという作家が生まれてきたらいい」と願う。
午前10時~午後4時。日曜休み(27日は開館)。5、12日午後2時から、作家による作品解説がある。木匠安曇野TEL0261・22・0926