
松本市深志3のまつもと市民芸術館で7月10、11日、コンテンポラリーダンス公演「いまここにいます」が上演される。長野市出身の第一人者、山田せつ子さん(74、東京都)のソロ公演。6月28日に事前のレクチャーがあり、同館芸術監督団の木ノ下裕一さん(39)と倉田翠さん(37)が、コンテンポラリーダンスや山田さんの魅力を語った。
木ノ下さんは、コンテンポラリーダンスは特定の形式やルールに縛られずに現在を体現し、自分自身の体と向き合っているーと説明し、「受け手側の感性と想像力に任されている」。
倉田さんは、大学時代の恩師でもある山田さんに影響を受けたといい、山田さんの作品は「料理をするとか朝起きるというような、ささやかな日常にある身体性を採取し、ダンスにしている」とした。
参加者の質問にも答え、「『舞踏』とは何か」という問いに木ノ下さんは、ダンス全般を指す舞踏と、1950年代後半~60年代に日本でできた「暗黒舞踏」というジャンルの前衛的なダンス芸術としての舞踏があり、山田さんは後者の流れにあると説明。多感な時期に学生運動が盛んだったことから、「“言葉の暴力”から解放されるための一つの芸術として、ダンスを選んだのではないか」と推測した。
昨年、山田さんのソロ公演を鑑賞したという倉田さんは「人って、生まれてから頑張ってこの世界に生きている。そういう孤独感や体、社会問題を体現しているように見えた。ぜひ生で、皆さんの感じ方で、自由に見てほしい」と呼びかける。
公演は10日午後7時、11日午後2時開演。終演後に山田さんと倉田さんのアフタートークがある。全席指定、一般3千円、25歳以下千円。同館チケットセンターTEL0263・33・2200