
夏といえばプール、学校でも水泳授業が始まっていますよね。多くのお子さんにとって楽しい時間ですが、中には水泳の授業があることで「夏が嫌い」と憂鬱(ゆううつ)な気分にさいなまれている子どももいます。好き嫌いが分かれる活動の一つです。
泳げない子や水が怖い子にとっては、恐怖の時間以外のなにものでもありません。これに対して、習熟度別の課題設定をしている学校が多いので少しはましになったかもしれませんが、それでも苦手な子にとってはつらい時間です。
例えば、野外プールでは虫や落ち葉などがどんなに管理しても避けられず、潔癖傾向のある子にとってはストレスになります。近年では、民間の室内プール施設を利用する学校も増えており、こうした問題は少しずつ解消されつつありますが、完全ではありません。
また、体形を見られるのが嫌だ、水着に着替えるのが嫌だという子も学年が上がるにつれて増えてきます。気にしすぎだと他人は言うかもしれませんが、本人にとっては切実な問題です。昭和・平成時代に比べるとラッシュガードなどの普及で、体形があからさまにならない水着を男女ともに利用しやすくなりましたが、それでも嫌なものは嫌です。
さらに、月経時の対応や、月経で休むことを申告すること自体が嫌だという声もよく聞きます。申告しても疑われた、嫌な思いをしたというケースもあります。
ある学校では、夏季の体育を選択制にして水泳以外の種目を選べるようにする取り組みが始まったと聞きました。どう工夫しても水泳が嫌だという子どもにとって、こうした選択制は画期的です。見学するだけではむなしい時間になるだけだったり、また成績が下がったりする懸念があります。種目選択制なら一番苦手な活動を避け、より充実した時間を過ごせます。もしかしたら水泳が好きじゃない先生方にとっても負担が軽減され、お互いウィンウィン(相互利益)になるのではないでしょうか。
水泳や体育に限らず、学校内の課題や活動にもっとさまざまな選択肢が増えることが、不登校を減らす一助になると考えています。