
昨年までの現役時代、シーズンの折り返しをどう捉えるかというのは、それまでの状況によっていた。
例えば、2013年はJ2の徳島ヴォルティスにいた。チームは前半戦を終えて8勝2分け11敗の15位だったが、最後は20勝7分け15敗の4位に躍進し、プレーオフも勝ち抜いてJ1昇格を果たした。
僕はシーズン序盤のけがもあって出番は限られた。ただ、コーチ陣は出られない選手にも一人一人目を配り、僕にも個人のプレーに絞って編集した映像を見せるなどしてアドバイスしてくれた。
チームの成績が良くないと「大丈夫かな?」と疑心暗鬼になりそうだが、監督のやり方に沿ってぶれずに指導されると、出ていない選手もチームを勝たせることが自分ごとになる。練習の強度が増す。
この年の徳島はけが人が多かった。センターバックも2枠を5人が入れ替わりプレーしたが、チームはまとまっていて少しずつ結果が出た。僕はプレーオフを含めた最後の5試合でフル出場した。
いくら素晴らしい戦術でも実践するのは選手。このチームで勝ちたいという“心の火”をともし続けられるか。そして、それを助けるのも指導者の役割であることを感じ、いま選手と向き合っている。
(アカデミーロールモデルコーチ)