
シーズン後半は白星発進
松本山雅FCはシーズン後半の初戦を飾り、連敗を2で止めた。サンプロアルウィンでの白星は5月18日の13節ガイナーレ鳥取戦以来。入場者数は今季最少の6646人で、掲げられた横断幕は「OneSoul(ワンソウル)」の1枚のみ。ファン・サポーターが有形無形で示した危機感に、選手たちがプレーで応えた。
次節ダービー 気概再び見せられるか
試合の大勢を決めた3点目は後半26分。直前に味方のFKに備える間、MF村越凱光は両脚を伸ばし、ふくらはぎを拳でたたいた。「(疲労で脚が)つっていた」と村越。それでも決めた。
DF杉田隼のパスを受け、狙い澄ました左足シュート。「魂見せました」。試合後、会心の笑みを浮かべた。
前週のザスパ群馬戦後は、「魂が見えない」と硬い表情だった。3日後、あえて仲間に苦言を呈した訳を聞くと「サポーターは泥臭い、戦うプレーを期待して応援してくれている。そのベースは長く山雅にいる者として伝えていきたい」。高卒で入団し6年目の23歳が、自覚を語った。
迎えたこの日は2得点。その後も労を惜しまず、自陣での競り合いでボールを奪う場面も。ファン投票でMVP(最優秀選手)に選ばれ、インタビューで「良かった」と喜びを爆発させた。
早川知伸監督は「選手たちがサポーターの強いメッセージにしっかりと応えることができた」とたたえる一方、「続けてやっていかなければならない」と気を引き締めた。次節はAC長野パルセイロとの信州ダービー。気概を示す格好の舞台だ。