
ギターを弾きながら歌うシンガー・ソングライター「快夢。」(本名・横山快夢)さん(22、松本市岡田町)は、高校時代にスポーツで挫折した時に音楽と出合い、今は仕事を掛け持ちしながら曲を作って歌い、メジャーデビューを目指している。夢は「日本武道館を満席にする」ことだ。
誰かの道しるべになれば
「恋愛ソングは好きじゃない」と、自作曲は人の生き方を歌ったものがほとんど。「人生は十人十色。答えはない。聴いた人に受け止めてもらい、歩む道のヒントや道しるべになれたら。自分が涙しながら作った曲を聴いて、泣いてもらえたら」
バスケで挫折音楽の道へ
バスケットボールで推薦を受けて松本第一高校に進学したが、力量不足にけがも重なり、試合に出られない日々が続いた。部の練習が終わってから何時間も個人練習するなど、精神的にも体力的にも自身を追い込み、体調不良に陥った。
ちょうどコロナ下でSNSの利用者が増えていた時期。「やってみたいかも」。弾き語りの動画を見て、母親の隣でぼそっとつぶやいたのが、転機になった。
2年生のクリスマスに、母からギターをプレゼントされた。自分で演奏するイメージは全く持っていなかったが、インターネットでコードを覚えるなどし、「弾いて弾いて弾きまくった」。1~2カ月後には、シンガー・ソングライター優里さんの曲「ドライフラワー」をマスター。「熱量がバスケから徐々に音楽にシフトした」
「書ける気がする」。3年生の時、初めての自作曲「ふたりめのわたし」ができた。それまでいくらチャレンジしても書けなかったが、このときは歌詞とメロディーがポンと出てきたといい、1時間ほどで完成させた。生配信を始めたのもこの頃。体調不良が治り、音楽の力を実感した。「俺、音楽でやっていくんだ」
介護職など掛け持ちしながら
高校卒業後は市内の看護学校に通う傍ら、ボイストレーニングに神奈川県まで通い、曲も作って配信に力を入れた。両立は時間的にも体力的にもきつく学校は辞めたが、母が介護福祉士の資格を持っていることもあり、曲作りや演奏活動をしながら介護ヘルパー資格を取得。今年2月に施設で働き始め、昨年8月に始めたスーパーの夜の仕事も続けている。
ソロで歌うだけでなく、バンド活動にも目を向ける。バンド名は「Re:Neon」に決め、現在メンバーを集めている。オリジナル曲やカバー曲をアップしている快夢。さんの=ユーチューブチャンネル。