
安曇野市穂高の碌山美術館は、荻原碌山(本名・守衛、1879~1910年)と縁が深い相馬黒光(1875~1955年)に関する企画展(7月19日~9月7日)とシンポジウム(7月26日)を開く。黒光の没後70年に合わせて計画。同美術館などで24日、夫の相馬愛蔵と創業した食品販売などの「中村屋」の新人研修も開かれる。
企画展は「荻原守衛と相馬黒光展」と題し、碌山が黒光を恋い慕う中で生み出した「文覚(もんがく)」「デスペア(絶望・落胆)」「女」の石こう複製を第二展示室に並べる。ブロンズ像は本館に展示されているが、同展では3作品に絞り、碌山の黒光への思いに注視。当時の碌山の心境を語った友人の文章などもパネル展示する。
26日のシンポジウムは午後1時半から、同館近くの碌山公園研成ホール。パネリストは女子大生のキャリア教育に携わる澤田裕美さん、中村屋社員の広澤久美子さん、市文書館・臼井吉見文学館館長の平沢重人さん、同館学芸員の武井敏さん。入場無料。当日先着100人。
中村屋の新人研修は、創業者の精神を学ぼうと、コロナ禍前に10年間実施。今年は6年ぶりに約30人が安曇野を訪れる。シンポジウムに協力し、研修の案内役を務める美術館友の会参与の抜井義昌さん(81)は「創業から124年経過しているのに原点を忘れない中村屋の姿勢は貴重」と話す。
展示は午前9時~午後5時10分。大人900円、高校生300円、小中学生150円。TEL0263・82・2094