寿台養護学校高等部 作業学習の製品販売「ことよう市」にぎわう

松本市寿豊丘の県寿台養護学校高等部(45人)は7月3、4日、松本ハイランド農協の農産物直売所「ファーマーズガーデンうちだ」敷地内で「ことよう市」を開いた。生徒が週3回の作業学習で丁寧に作り上げた手芸、木工、陶芸などの製品を対面販売し、大勢の人でにぎわった。
高等部には知的障がいがある生徒が通い、年間を通じて手芸、リサイクル、工芸、木工、陶芸の五つの班に分かれて製品を制作している。両日は敷地内の芝生にテントを設置して並べ、各日20人ほどの生徒が「いらっしゃいませ」と呼び込みをしたり、商品を来客にアピールしたりした。
陶器は100円台からと安く、デザイン性にこだわったポーチなどの布小物や籠製品も好評だった。中でも牛乳パックをミキサーで細かくし乾燥させた「油とりパック」はリピーターに人気で、用意した約70個を完売した。
3年生の樽澤実奈さん(17)は「自分が作ったものを手に取って、気に入ってくれたらうれしい。接客は好き」と笑顔。買い物でたまたま訪れたという新井綾子さん(里山辺)は陶器を買い、「生徒は仕事のやりがいを実感でき、客は良い物を買え、お互いに有意義なのでは」と話した。
同高等部は年2回校外と、秋の学校文化祭「紅葉(こうよう)祭」で一般に製品を販売している。大半の生徒が卒業後は就職を目指しており、こうした場は働く力を付けるとともに、日々製品を作るモチベーションにもなるという。