【中村小太郎・自然派生活】#16 アナログな大豆畑の草取りに汗

自然農法の草取りの方法は、地面スレスレを鎌で刈り、地面に寝かせる─です。「地面スレスレ」の意味は、地中に根を残すということです。有機物である根は腐って微生物の栄養になります。
「地面に寝かせる」の意味は、草を寝かせることで天然の草マルチにするのです。地表の乾燥を防ぎ、表土の流失を防ぐ効果もあります。
塩尻市に移住してきて7年目の暑い夏です。田んぼの除草は「紙マルチ式田植え機」で楽になった分、大豆畑の草取りは、思いっきり「アナログ」。大量の汗をかきます。先日、「畑の仲間」の14家族と一緒に、その作業をしました=写真。風通しが良くなって、大豆が喜んでいるのが伝わってきました。
移住した当初は、自然農法国際研究開発センター(松本市波田)の種でナカセンナリを育てていましたが、ひょんなことから塩尻市の試験場で開発されたあやみどりを並行して育て始めました。
これがおいしいのなんのって!。盛夏にはつまみの「枝豆」でビールが進みます。秋にはうっすらとした黄緑色の豆腐を作り「冷ややっこ」にして冷酒に合わせます。この1年で“畑の主人公”に大抜てきです。
草取りをしながら思いました。秋の収穫のほか、その後のみそ造りやしょうゆの仕込みなど、こんなに楽しみの多い作物はそうはないと。
栄養面でも“タンパク質の王様”です。大豆と玄米があれば、人間が必要とする栄養素は、ほとんど満たせるという研究結果もあります。まさに「スーパーフード」で、自給自足をするうえでの「マストアイテム」といえます。