
悔い残るダービー完敗
松本山雅FCは、AC長野パルセイロのホームで敗れた。0─1ながら球際の攻防に負け、セカンドボールも相手に拾われ、攻めることができず完敗。今季の信州ダービーは、県選手権決勝こそ1─0で勝ったものの、リーグ戦の2試合は2─2の引き分けと今回の黒星に終わり、2季続けて白星を逃す結果となった。
走れない 運べない 問題意識共有し次へ
この日は前半5分に失点、そのまま逃げ切られた。県選手権決勝と真逆の展開だった。
最後尾のGK大内一生は「攻め手がなかった。相手の陣形を崩せなかった」。そして、「(3─0で勝った)前節の奈良戦も紙一重の勝負だった」と深刻さを吐露した。
このところ自陣から組み立てられていないと感じるのは最前線も同じ。FW田中想来は「僕が(ロングボールを)競って起点になればチャンスになるが、味方とのつながりはもっとやらないと」。シュートはここ3試合で1本ずつ(PKを除く)。20歳のエースが本来の仕事をできないことに、ボールをゴール前に運べないチーム状況が表れている。
「(ボールを追って)走る場面さえつくれなかった」と主将のMF菊井悠介。試合後、自らゴール裏のサポーターに歩み寄った早川知伸監督は「選手が戦えない、走れないのは全て自分の責任なので謝罪に行った」。厳しい言葉のやりとりがあり、サポーターに叱咤(しった)された内容を選手に伝えたという。
「もっと個人がやらなければいけない」と、育成組織出身の田中とMF樋口大輝は異口同音に言った。クラブの誰もが同じ悔いを分かち合ったのなら、心一つに立ち向かえばいい。