
松本市の芳川地域づくり協議会と芳川地区防災防犯協会が「芳川地区防災マニュアル」を作り、地区内の全戸に配布した。「地区の特徴に合った独自のマニュアルを通して住民の防災意識を高めたい」と、町会長や防災に関する役員、事務局で内容を検討してきた。
A4判三つ折りのカラー印刷で、内容は▽マイ・タイムライン(災害時に、いつ、何をするのかを家族と相談して作る)▽在宅避難のすすめ▽在宅避難の準備▽非常持出品と備蓄品|の4項目。そのほか、在宅避難ができるか迷った時のフローチャート、非常用トイレの使い方、高齢者やハンディキャップのある人がいる家庭の備えも掲載。連絡を取りたい人や、必要な備えなどを自分で書き込めるようになっている。
マニュアルの作成は、2011年に松本市で震度5強を観測した地震の記憶が薄れていくことへの懸念と、24年の能登半島地震をきっかけに始めた。同協議会は、人口の多い同地区の指定避難所の広さや物資などの備えは十分でないため、災害時は在宅避難ができる備えをするよう呼びかけており、マニュアルはそれに沿った内容にした。
同協議会長の赤羽清栄さん(74、小屋南)は「災害が起きたら避難所に行けば良いではなく、自分の身は自分で守るという意識を高めてほしい。マニュアルは皆さんの意見を聞いてより良いものに更新していきたい」、同協議会安全部会長の田中千俊さん(76、野溝西)は「マニュアルを基に、在宅避難に必要な物の備蓄を徹底してほしい。地区や町会でも備えを進めていきたい」と話す。問い合わせは同協議会℡0263・58・2034