白馬高1年・水藤大志さん ヨット競技で県勢男子21年ぶりインターハイ出場

白馬三山の麓で学ぶ高校生が、ヨット競技で全国高校総体(インターハイ)へ─。白馬村の白馬高校1年水藤大志(すいとうだいし)さん(16)は、8月12~16日に和歌山県で開かれるインターハイの男子1人乗り(ILCA6級)に出場する。ヨットで県勢男子の出場は1994年以来。2018年に1人乗りの個人種目が導入されて以降は初となる。
高松市出身。ヨットの盛んな地で小学4年から乗り続けてきた。今春、親元を離れて全国から生徒を募集する同校国際観光科に進学。週末に県内の木崎湖や諏訪湖で練習を積み重ね、全国切符をつかんだ。
進学先の決め手の一つは、昨夏の大町市の中学生選手との出会いだった。「自分の活躍で県内の人にヨットをもっと知ってもらいたい」。山岳県の高校生が大海原での健闘を誓う。

期待を力に入賞目指して

「ヨット(の練習)は土、日だけじゃ足りない」。水藤大志さんは週末、白馬村の学生寮から電車を使って木崎湖や諏訪湖へ足繁く通う。諏訪湖までは片道2時間以上かかるが、移動距離は全く苦にならない様子だ。
出身地の香川県の瀬戸内海で技術と経験を積み、昨年7月の全国中学校選手権大会(全中、高松市)ミニホッパーの部で男子2位、学校対抗団体優勝も果たし、海外レースの経験もある実力者だ。白馬高校進学後は信州の湖が練習の場で、「潮の流れがなく、風も変わりやすい」。当初は環境の違いに戸惑ったという。
6月14、15日に富山県であったジュニア大会のシングルハンダー級で優勝。翌週の北信越高校総体(石川県)にはいい感触を持って挑み、2日目は強風下でのレースに苦しんだものの3位に入り、インターハイの切符を手にした。

出会いなど経て高松から白馬へ

知らない土地や環境に飛び込み、自立心を高めたい─。そんな思いから、都道府県の枠を超えて地方の公立高校に入学できる「地域みらい留学」の仕組みで、県外の高校へ進もうと考えた。愛媛県の弓削高校や白馬高校を候補に挙げていた中、昨夏の全中で大町中学校(大町市)2年の砂田昊ノ輔(こうのすけ)さん(13)と出会う。
海上で食べられるようにと、砂田さんがメインセール(主帆)の下端を支えるブームにぶら下げていたバナナケースが気になり、水藤さんが声をかけた。大町市の位置が白馬村に近いと聞き、練習できる湖の存在も初めて知った。「長野でヨットができるんだ」と驚いた水藤さん。ヨット競技には、中学校で区切りを付けようと思っていた。
実際に白馬を訪れると間近に迫る高い山が魅力的で、空気もきれい。すっかり気に入った。ヨットができる環境にも心を動かされ、大学生の姉2人が長野市と松本市にいることもあり、白馬高校への進学を決めた。
高校では山岳部、茶道部、写真部に所属。地域でのボランティア活動にも積極的で、忙しくも充実した日々を送る。英語教育を重視する国際観光科で英語力を高め、将来はホテル関係の仕事に就く夢を抱く。卒業後は「小学生たちにヨットを教えられたら」と県内での進学を希望。信州では冬季、ヨットの練習ができないが、「今冬は、初めてのスキーに挑戦したい」と前向きだ。

木崎湖や諏訪湖での練習仲間となった砂田さんは「インターハイでは、上位に長野県の名を刻んでほしい」と激励。県セーリング連盟の笠原賢一理事長(76、諏訪市)は「身のこなしがいい。まだ1年生。体ができて強風下での練習を積めば強くなる。国民スポーツ大会でも上位に食い込んでほしい」と期待する。
「周囲からの期待は力になる。入賞の6位以内に入りたい」と、大舞台での目標を話す水藤さん。県内での競技の普及も願い、勝負の海原へ乗り出す。