
子どもに楽しさ伝える
「短歌の里」をうたう塩尻市広丘地区で8月、競技かるたの子ども向け教室が始まった。講師は有段者の中山春菜さん(24)。小学生の時に小倉百人一首に興味を持ち、進学や就職では競技かるたができることを考慮した。そうして入った同市教育委員会文化財課が、今回の教室を主催することに。「好きなことを仕事にできて運がいい。楽しさを子どもたちにつなげていきたい」と話す。
進路の志望理由に「かるた」
競技かるたで「短歌の里」を盛り上げたい。短歌に親しむきっかけになる―。2年前、市の就職面接で中山さんは熱弁を振るった。
出身は安曇野市。小学生の時に百人一首を知り、「なぜか面白いと思った」。漫画「ちはやふる」を読み、競技かるたがやりたくて、部活がある松本県ケ丘高校を選んだ。
本格的に競技を始めて「塩尻かるた会」にも入り、信州大のサークルの練習にも参加した。信大に進学したのは、その縁もある。
なぜ、そこまでのめり込むのか。「やっぱり札を取れた時、勝った時がうれしい」と中山さん。まず競技として面白い。
大学時代には裏方の楽しさも知った。競技会の運営に携わり、競技者の表情に「いい笑顔を見られた」とほっこりした。年下を交えた合同練習会では、教えることの魅力に気づいたという。そういった思いが、市の面接での言葉になった。
今の仕事に就いて1年たった今春、今度は教育長との面談で同じような考えを語ると、「やりなよ」。教室の開催が実現した。
競技かるたは覚えることが多く、ハードルが高い。だから、教室では楽しむことを心がけると中山さんは言う。「挫折を一緒に乗り越えたい。一度離れても、いつか気になって戻って来るかもしれない。その時、歌の意味も『いいな』と思ってもらえれば」と話す。
教室は塩尻短歌館(広丘原新田)などで11月まで月2回開催。市内外の小中高校生が対象で参加無料。問い合わせは同課TEL0263・52・0904
【競技かるた】
対戦者は向き合って座り、小倉百人一首から無作為に抜き出した25枚ずつを自分の前(自陣)に3段に並べる。15分間で配置を暗記し、競技開始。読み上げられる上の句を聞き、対応する下の句の札に先に触れた方が取る。相手陣の札を取ったら、自陣から1枚送る。自陣の札が先になくなった方が勝ち。