
松川村の安曇野ちひろ美術館で11月9日まで、「ヒロシマ・トマト司修(つかさおさむ)展」が開かれている。画家で文筆家でもある司さん(89)が絵を手がけた絵本「まちんと」の原画を中心に作品82点、資料50点を展示し、戦争体験や取材で得た知識を元に物事を深く見つめ、多彩な表現を模索し続ける司さんの画業を紹介。4日、司さんの講演会を開く。
「まちんと」(文・松谷みよ子さん、初版発行1978年)は、広島で被爆し、トマトをねだりながら亡くなった女の子が主人公。司さんは幼児も目にする絵本にどう原爆を描くのか悩み、描き直した末に、鮮やかな色彩の美しい絵にたどり着き、長く親しまれる絵本に仕上げた。
絵本に登場するヒマワリは、9歳の時に経験した空襲後の焼け跡で見た印象を重ねて描いたという。83年発行の改訂版では、鳥になった女の子が現代の空を飛ぶ2場面を追加し、原爆が今にもつながっていることが強調された。
展示担当学芸員の上島史子副館長は「司さんは、いろんなことに問題意識を持ち、手段を選ばず思いを形に表現してきた。今も現役の表現者の世界を見てほしい」。
午前10時~午後5時。水曜休館。入館料1200円、18歳・高校生以下は無料。
4日の講演会は午後2時~3時半、同館で。千円(別に入館料が必要)。定員50人、要申し込み。同館℡0261・62・0772