
松本市の筑摩野中学校(村井町北2、668人)は、生徒と職員が詠んだ俳句や短歌を書いた短冊計約700枚を廊下に飾っている。秋の文化祭に合わせた恒例企画で、例年は2日間だけだったが、今年は「一人一人の思いがこもった作品をじっくり見てほしい」と、終了後も展示することにした。
図書委員会が担当し、文化祭(9月26、27日)で生徒代表と担当教諭が審査した全7賞が発表され、盛り上がった。主題は風景を詠んだものから部活、夏休みの宿題、恋愛などさまざま。多感な中学生の気持ちが表れている。
図書委員長の3年生・堀内佑美(ゆうみ)さん(14)は、自分の嫌な部分も愛してゆっくり歩んでいきたいという思いを込めて、「自らの殻も愛してかたつむり」と句を詠んだ。審査と展示準備のため全作品を見たといい、「共感したりくすっと笑えたり、いろんな感情にさせてもらえて楽しかった」とにっこり。
本年度着任し、この企画に感動したという国語科の池上清美教諭(56)は「生徒が飾らない気持ちを素直に言葉にのせていて、すごくいいなと感じる」。学校司書の小澤香奈さん(64)によると、企画はコロナ禍の間も途絶えることなく20年以上続いているといい、「普段は話さないような気持ちが書いてあり、本当に面白い。ずっと続いてほしい」と話している。