全国の「避難小屋」日記風に 安曇野で橋尾歌子さん原画展11月26日まで

安曇野市穂高有明の安曇野山岳美術館は11月26日まで、イラストレーターで登山ガイドの橋尾歌子さん(58、東京都)作の画文集「それいけ避難小屋」(山と渓谷社)の原画102点を初展示している。全国の避難小屋を取材して小屋の内部や近くで出会った人々などの様子を、日記風に表した作品が並ぶ。
各地の高山に点在する「避難小屋」は、「山小屋」と違い、誰でも使える。多くは無料だが、維持管理のための協力金を置いていく人がほとんど。「使った人が次の人のために中をきれいにしていくことが当たり前になっている」と感心する。
兵庫県生まれ。東京の美術大大学院時代まで油絵を学んだが、登山ガイドの道に進んだ。「予備校時代から山に夢中になった」と言い、海外の6千メートル級の山に登ったことも。フリーランスで雑誌などに絵や文の連載もしている。
画文集は、月刊誌「山と渓谷」で2014年から4年間続けた同名の連載が基。51軒の避難小屋の外観から内部までを「三次元風に捉えて描いた」というものと、近隣の様子や出会った人などのイラスト各1枚で、それぞれ紹介している。
北アルプス「名無避難小屋」(大町市)のイラストには、まきストーブを見て「いい感じ」と褒める利用者に、仲間が「時計型ストーブ(上部が柱時計のように見えるもの)だね」と応じる光景などを描いている。
午前10時~午後4時。木曜休館。一般800円、中高生300円。同館TEL0263・83・4743