例大祭の灯籠復活へ 松本・芳川野溝町会の3常会住民ら 

手作りし大みそか神社でお披露目

松本市芳川野溝町会の大東、長浜、宮本の3常会の住民らでつくり、祭りの準備などを担う「吾妻(あづま)連保存会」は、野溝諏訪社の例大祭(4月)の際に、かつて3常会の街道つじなどに飾った「灯籠」の復活を企画した。10月4日は会員や住民ら約30人が野溝第一公民館に集まり、新たな灯籠を作った。
木枠は木製のフォトフレームやラックを加工して用い、灯籠を作ったことがある地域の先輩たちに話を聞きながら、組み立てたり紙に色を塗ったり。2種類を50個ずつ作り、暗くなると点灯するソーラーライトを取り付けた。
親子で参加した芳川小学校6年の関よつ葉さん(12)は「心を込めて作った。復活した街の灯籠を、家族で見に行きたい」と笑顔。
灯籠は40年ほど前まで、地区の各家庭に1基ずつと同神社に数基が保管されていたが、木枠が老朽化し、修理できる作り手も不足したことなどから飾られなくなった。
2011年6月の松本地震も重なり現存する灯籠は一基もなく、かつての街のにぎわいを取り戻そうと、市の地域チャレンジ応援事業補助金を受けて復活に取り組むことに。
保存会の矢﨑留二会長(81)は「昔は毎年皆で集まり、紙の張り替えをした。灯籠には風情がある。地域の人たちがどんな反応をしてくれるのか楽しみ」と話す。
灯籠は大みそかに同神社でお披露目し、各家庭で保管。来年の例大祭で街中に飾る。