
塩尻市広丘郷原の郷福(きょうふく)寺で、住職の白馬秀孝(しゅうこう)さん(47)が3週間余にわたる荒行を行っている。多くの人に御利益を届けたいと、1日3回護摩をたく様子をユーチューブでライブ配信している。
同寺は今年、成田山新勝寺(千葉県)から成田不動尊を勧請(かんじょう)して140年になる。これまでも10年ごとに記念祭を行ってきたが、今回は白馬さんが22代目の住職になって初めて迎える節目で、真言宗における最大の荒行の一つという「八千枚護摩供」に臨むことにした。
行は今月12日に始め連日、精進潔斎(しょうじんけっさい=肉食を絶つなど身を清めること)して臨んでいる。14日間の「前行(ぜんぎょう)」、7日間の「正行(しょうぎょう)」の後、11月2日は水も飲まない断食の上、最後の護摩を行う。
白馬さんは「厳しい時代にあって寺を次の世代に残すには、支える価値のある寺だと檀家(だんか)に感じてもらう必要がある。一人一人の御利益のために命懸けで祈りたい」と話す。
ライブ配信は同寺の公式チャンネルで24時間行い、護摩をたく様子や境内の光景を映している。「意外に多くの人がお参り(視聴)に来てくれる」と白馬さん。寺を訪れ、不動堂内での祈願に参列することもできる。