【農トピックス】#19 山形産ナガイモ

エクセラン高生がPRポスター

エクセラン高校(松本市里山辺)美術科の生徒たちが、JA松本ハイランド山形支所(山形村)の依頼に応じて、特産のナガイモをPRするポスターやキャラクターを作った。同校の生徒たちがナガイモを題材に制作するのは3年連続だ。
今年の企画がJAから持ち込まれたのは、5月のこと。2年の松岡莉奈さん(16)は「チャンスが回ってきたと思った」という。
昨年と一昨年の課題は、選別などで参考にするナガイモのレプリカだった。先輩の制作物がメディアで報じられるのを見ていた松岡さんの専門は油絵。今年の課題が平面のデザインだと知ってうれしかったのだ。「自分が作ったものを広く発信できる」と制作に名乗りを上げた。
ただ、出来上がった作品は絵ではなく写真を組み合わせたポスター。制作前、山形村の生産者が食べさせてくれた揚げナガイモに「とろろ以外の食べ方があるのに衝撃を受けた」という。さまざまなおいしさを伝えたいと、自分でオリジナル料理を作り、ありのままを写すことにした。
酢豚、キムチあえ…。ポスターに並ぶ斬新なメニューに「若い子ならではだね」と、同JA根菜部会長の中村宏さん(66)は目を細めた。
「食べ物で制作の幅を広げられることに気づいた」と松岡さん。今回、ポスター部門で最優秀作品に選ばれ、「リンゴでもやりたい」と笑顔で話した。
キャラクター部門の最優秀作品を作った1年の窪田一花(いちか)さん(15)はもともとサツマイモが好きで、「イモ類を広めるのに貢献したかった」という。ナガイモをかわいらしく擬人化。病害虫のセンチュウが嫌いという設定が「分かっているな」と生産者に響いた。
今年の企画を考えた同JA支所の中沢闘志(とし)也(や)さん(50)は「エクセラン高校とつくる流れを途絶えさせたくなかった」と言う。継続的な“異業種・異世代交流”は、両者の意欲や才能も刺激している。