
〝人と自然が調和し生きる心地よい街〟
―創業から50年余。これまでの歩み、松本への思いをお聞かせください。
高校卒業後、最初に勤めた会社で「学歴社会」の厳しさを痛感し、寿司職人の道へと進みました。縁あって松本で7坪の小さなすし店を開いたのがすべての始まりです。目指したのは高級志向ではなく、地元の人に気軽に喜んでもらえる店。新鮮な魚を手頃に味わってもらうことを大切に、ひたむきに仕事と向き合ってきました。近年は、信州の食文化「そば」を全国に広めたいと、FC事業を展開中。松本は、私の生きざまそのものが詰まった街。ここで暮らし働く人たちと一緒に、にぎわいを作りたいと思っています。
―観光客や移住者が惹かれる松本の魅力とは。
コロナ禍を経て人々の価値観は大きく変わり、暮らしの質や心の豊かさを求める人が増えたと感じます。松本は、そんな思いに応えてくれる街。城下町の風情や文化財、足を延ばせば上高地や美ヶ原の雄大な自然が広がり、信州の恵みが息づいている。ここには、「人と自然が調和して生きる心地よさ」があります。その魅力こそが、松本に人を惹きつける理由だと思います。
―松本の課題と考えられるところは?
松本市が掲げる三ガク都はこの街の誇る三つの顔。もっと自信をもって発信していくことが大切だと思います。商圏人口は県内トップクラスでも、市内中心部では大型施設の閉店が続いています。先日訪れた長崎では、スポーツ・宿泊・商業が一体となった画期的な施設が誕生していました。松本でも多くの大会や学会が開かれます。多様な目的で使える複合施設があれば、地域経済の活性化にもつながるでしょう。
【プロフィル】永瀬完治さん 1950年、木祖村生まれ。飲食事業、ケータリング、豊洲市場内での仲卸業務、スキー場運営など多角的に展開する「王滝グループ」創業者。県食品衛生協会会長、松本商工会議所観光・料飲食部会部会長などを務める。
▶マツモトグッドライフアクションとは・・・穴吹工務店・野村不動産・NTT都市開発が共同で手がける松本駅前の大規模マンションプロジェクト実施にあたり、松本の街をこよなく愛する様々な方を紹介し、松本の魅力を発信する連載コーナーです。マンションプロジェクトの詳細は=「ザ・レジデンス松本深志」ウェブサイト=から。